空の言葉/小川 葉
ねんのはる
うめぼしが
つかるゆめを
+
いつからか
こんなによごれて
せんじょうに
たっている
みおぼえのある
ひまわりが
かおから
たねをおとしている
+
ぼくとおなじ
なまえのひとが
なつやすみ
かわでしんだ
しんぞうまひだった
しぎょうしきでしった
そとはまだあつくて
せみがないていた
+
ろうじんになるなんて
しらなかった
ろうじんは
うまれたときからろうじんで
ぼくはずっと
こどものままだとおもっていた
おなじかっとうをいま
むすこがしている
+
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