冬のある日/
うずら豆
北風が冷たい
夏にセミがいたなんて
すっかり忘れてしまう
すっかり気弱な太陽
それでもマンションの窓に反射して
自分の分身を生み出している
カラカラと枯れ葉が舞っている
吹き溜まりの枯れ葉は
壊れた人間の墓場のようで
分身した太陽に照らされた枯れ葉は
本物の太陽がわからず戸惑っている
北風が冷たい
僕が僕であることを
すっかり忘れてしまいそうだ
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