くらくら/三田九郎
 


聞こえてるかもしれない 冷たい目線にしびれてる にゃん


駅のホームから落ちた二人は電車を止め

無数の乗客の前に立ちはだかり

駅員に救助され 連行され

ニュースとなり 叩かれ

なぜかますます燃えた

今日も明日も

抱き合って夜を明かし

帰途早朝ふらふらしてた

繋いだ手を離す瞬間が一番嫌いで

どんな事件に出くわしても

別れの危機が訪れても

それだけは変わらず

二人は今夜も抱き合い

朝ふらつき

どこまでも

行って欲しいと猫は願う にゃん


くらくら くらくらするああもう

くらくらするの ああんもう ああん


大丈夫。

彼とあたいの淡い歴史は まだまだ終わんないから

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