わたしたちの鴻溝/アオゾラ誤爆
わたし
というのは
ようするに泡だったようにおもいます
電波塔を模した指先には
噛まれた跡があって
手紙を書くたびにそれを思い出すけど
……だって、きずがあるのです
信号は青
その代わり、
まぶたは例外なくあかい
花たちは泣きまねをして
まち中の足音を殺そうとする
壊さないようにしずめる
ふつふつ、
ひと
文字ずつ、
ぷつ、ぷつ、潰、され、る
あ、と、いう
間に
書き損じたかなしみをおもう
いつ
どこに
でもきっとおいてきたのだなあ、と
そんな
歯のすきまを抜ける風のような
やさしさをともなういたみ
……封をする。
また、きえてしまう
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