Queeeeeeeeen/salco
したことがございません。立派な建物も豊かな商店も建ち並んで
おりますのに、まるで草木のない地平を打ち眺めるような荒漠。まあこん
な砂漠の中で人生の魅力を振り撒いているのは子供達ぐらいで。いかんせ
んお小水臭い水では花も咲きますまいけれど。ほほほ」
美も余が掌握しておる。女王は思った。
「これはまた面妖な。さまで高き名声の遠国に聞こえ、とつ国の風趣に呆
れさざめくほど美に優れておると標榜するそちの、その面相ではいかな小
童への説教にもさぞや難儀しようものを」
意外にも見られていたとは。これはいよいよ脈ありだ。
「そこでございます、女王様。母の胎で持たされた物は仕様がござ
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