クソ野郎ふたたび(逮捕1周年記念)/salco
 
許すまじ
                     
2009/11/06




 市橋Part2

青年はヒクイドリの顔をしていた
くずおれた女に屈み込み、
尚も頚部に圧迫を加え続ける
何故ならこの青年は
所有欲と人命とを等価交換する
1発の射精の為に他者の存在を、その生涯を
消費するのだ
何故ならその脳には自他の相対性が存在しない
何故ならその脳はついばむことしか理解しない
快・不快だけを規定する、極く小さな活動域だけが
熱した小石のように赤い
それだけが、彼のレゾン・デートルに照応している
白亜紀への退行に、言語は交錯しない
啼き声と羽ばたきと
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