瞬瞳 / ****'03/小野 一縷
 
くの心にリンクしていた
細くても信頼以上の繋がり 光の糸で 


一体 何だったのだろうか?
あの夜の無邪気の透明度は 星々の瞬きが透き通る 
薄い黒色の膜に覆われて 計れないまま


何かが変わったんだ
すっかり夜の色は濃い
重力も 引力も 随分と 指向性が鋭利だ
皮膚にしんしんと沁みて 揚力を抑圧する


そういえば いろいろと焦らなくなった
飛び降り自殺のシミュレーション時の風圧なんて涼しいだけで
イメージトレーニングはしくじってばかりだ


確かに 目にする色彩が 変わってしまった
季節のように それは巡ってはくれない
もう その光度は不正
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