子どもの気持ち/塩崎みあき
坂道で
暗い街灯の暗い
坂道の中腹で
小さな子ども
がいる
座っている
あの子ども
知っている
知っている子ども
お母さんの
帰りが遅いので
坂道に
座りにくそうに
座っていて傍らに
犬が一匹
傍らにずっといる
飼っているの
ではなくて
子どもが
飼いたいと思っていた
ので傍にいた
けれど
お母さんの
帰りが遅いことが
子どもの
白いほっぺたを
ほっぺたが
白いのにすこし
赤らんで
それは寒いから
ではないので
寒くはないんだと思っていた
この近くでは
兎狩りが
盛んなので
冬になると毎日
行われている兎狩り
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