かぎられた就寝/しもつき七
きみには本来だれもいなかった
血を分かつはずであった兄や姉はもう先に、
緑色のはなたれた地平で仲よくみつめあって
いた。ほとんど恋人のような握りかたの
手と手
は
かたくリボンで結ばれて
もうはなればなれになることはない
きみはひとり
対岸、夜明ける
認知したい
すべてを既知
してみたい、出来ればいいと
思う
思考よりさきに
日が巡って
ただここにいるだけの人だと
頭を叩かれるまでここに居たい
いたくって叫ぶ
あ
朝
だけど
それがどうしたっていうんだろう
わからない
わからなくたっていいよ
通じるだけいいよ、
ことば
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