十一月の童話/
salco
は見る見るそこへ落ちて行き
二人はあまりの寒さに身震いしました
「行こうか」と浮浪者が言い
「行きましょう」と少女が答え
二人は再び立ち上がり、手をつないで
そろそろとゴミの山を下りました
この向こうは埋立地
そのまた向こうは太平洋
夕陽の沈んだ先へ、きっと夕陽がまだ若く
真昼を照らしている場所を目指して
二人は闇の中をどこまでもどこまでも
歩いて行ったのでした
旗袍 … チャイナドレス
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