ナギ/砂木
 
叫びながらカラスの群れが飛んできた
初雪も消えて見えなくなった秋の空
会社に向かう朝の空気が緊迫する

運転しながら ちらりと眼を向ける
トンビが小さな鳥を追いかけている
死に物狂いに逃げる白と黒の小さな鳥
その二羽を カラスの群れが追いかけていた
真直ぐな道からカーブにさしかかると
みんな 視界から消えた

昼休みに会社の窓から空を見ると
電線に カラスが三羽 小さな白と黒の鳥が二羽
仲良く隣り合わせに それぞれとまっている
あんなに近くにいるのに威嚇しない
種族が違っても 仲間なのだろうか

ナギ とヒキナギの名前を呼ぶ時
馬鹿げているといつもどこかで思って
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