書店にて/朧月
 
柔らかな詩集をよみたくて
その手触りをつてに探してみる
本屋の隅の空間
私と本との距離

固く閉ざされた世界
踏み入れる足はとまる
ひとりの詩人の呼吸になる
同じ風にふかれる

地下の私が
どこまでも広い空みあげ
抱かれるような大地に咲く
花と並んでいるよう

苦しみを伝える詩さえ
尊い気持ちになるよで
先を歩く人のいる意味を
習っている
そんな時間


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