見守る/寒雪
 
てて
手の平を押し当ててみる
確かになにも変わらなかった
抱きしめた的がいつの間にか
自分の体に現れただけ
だけど
伴わない結果は気にしない
的と二人で嘲笑う感情たちの
突き立てられた悪意を
二人で乗り越えてきたその
長く辛い時間は間違っていない
涙目で見つめる星たちに向かって
二本の足をしっかり踏みしめて叫ぶ


きみの手を取り
ぼくはきみの強さを守りたいと思う
ぼくはきみの強さを手に入れたいと思う
宵闇の藍色を取り込もうと
静かに昇る秋の太陽になって
ぼくはきみの後ろから見守っているよ

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