ひび割れたコンクリートの上で彼と彼女は/亜樹
 
ひび割れたコンクリートの上で彼と彼女は

10年前からあるようなありふれた言葉で罵り合って
100年前に流したのとまったく同じ塩辛い涙を流して
1000年前から進化してない古びたやり方で許しあって
10000年前の見知らぬ誰かをなぞるようにKissをしていた。



 くりかえしくりかえし
 この星が見てきた中で
 罵りあい
 涙を流し
 許しあって
 Kissをする
 彼と彼女は
 何番目の詩人で
 何人目の罪人だったのか。



ひび割れたコンクリートの上で彼と彼女は
飲み込んだ赤い実を
喉に詰まらせたり
胸に溜め込んだり
そんなことを
繰り返しながら、

100000年前から決まっていたことのように
憎んだり
苦しんだり
愛したり、している。
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