木漏れ日/砂木
 
終わりの果てだと 葉っぱのふち
緑の雲を浮かべた陽気
体を掠めて靴の先で紐をとく

小さな精密が一生懸命
育てた木は また残る

根元に散らばる慈しみと親愛が
腐りはて かさかさに乾いて
どこかに飛んで行く

やっとひとりの小さなものに
なる事をゆるされた時
裸木のてっぺんから 
見送るまなざしに気付いた時

吹き飛ばされても吹き飛ばされても
帰りたい足元に
何処に落ちくびれても土の道をたどり

回る風の寒気が連れ去る
明日からは冬といいつける冷たさ
逆らいはしない 夜も来る

枯れ木をストーブにくべて
小さき葉っぱのような
かさかさの手を暖める
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