☟ダブルアカウント・猿子と流砂子☞/salco
 
。私なども座ってばかりでもう、鼻毛ボーボーで」
流砂子 「あたくしだってほら、もみあげがもうこんな」
猿子 「すごい。もう少しで結べそう」
流砂子 「ユダヤ教の伝統派みたいな風貌の女が、今じゃ普通だもの」
猿子 「でも他人の詩を読むのは疲れます。寝しなに10人くらいの声が代わる代わる耳の中で喋るんですから」
流砂子 「あら、それは病院に行った方がよかなあい?」
猿子 「いや神経が立っているだけで。今さら智恵子症になる心配はないと思います」
流砂子 「油断大敵よ。耳毛が生えたら困るでしょうに」
猿子 「ああ。おじいさんみたいな? 耳が白樺林立に」
流砂子 「そうよあなた。馬鹿になら
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