想像する体に憑依する妄想は/うめぜき
 
かなフォルム

海鳴りと海風の間のやさしい沈黙

私は立ち尽くしているのです

世界に垂直に立っています

墓標のようです

夜更けにしんとしている時に

幽かな歌声

その中に群れを成すように立つ墓石

そうですね、おっしゃるとおりです

群れが恋しいのです

夕空を渡る渡り鳥を思うのです

何事も思わず

自由に

手もつながずに

つながりあっているかのように

それは行進かもしれません

何処までも進んでいけるのでしょう

けれども、終の棲み処は必ずあって

私たちの旅はそこで終わるのでしょう

ただどうも私はまだ生きていて

どうも右肩が重いのです


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