いのち/いっと
 
彫像のように
毛羽立つ猫が
呼吸をする

冷たい膣のなかで
八度の熱が
震える

誘われた虫たちに
私たちがしてあげられることを
数える


そして幼い記憶のなかであらゆる感触よりも遥かに真実味のあったあの光は
確かに「」と呼ぶに相応しいものであった

知ることは汚れること
溶けるように
乱されるように
均されるように
負った傷は
愛されて愛されて、その間隙を縫って
新しさを迎える
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