A WALK/yumekyo
 
人の歩みは
都会(まち)に咲く花
出てきたやつは
最初に真似る

東京の人は
悠々と歩く
わき目も振らずに
自信に満ちた足取り
「すべてを決めるのはあくまで俺だ」

横目で
京都の人は
一歩一歩と
地面を踏みしめて歩く
「あぁ 東京の方が勝手に決めはったんどすやろ?」

横目で
大阪の人は
両手両脚を同時に出して
せかせか歩く
「時間が勿体無い 先んずれば人を制すや」

横目で
神戸の人は
足を大きく広げて
きびきび歩く
「せかせかするん かっこ悪いやん」

そして
都会の暮らしに慣れて
久しぶりに郷里(ゐなか)の人と
駅前の通りを歩いていたら何度もぶつかりそうになって
「すんまへん」「えらいすんまへん」と頭を下げてしまう
郷里(ゐなか)の人は
手元に認識がなくて
目線を斜め上にあげて
ぶらり ぶらりと歩く

そこから
彼らは何時何分というデジタルの世界よりも
もっと ファンダメンタルな意識の中に居ると
気付いてしまう
戻る   Point(5)