『冷たい陽だまりのなかで』/Leaf
冷たい陽だまりのなかで
沈静と高揚と紫色の雲をどうぞ
季節と季節の間が短くとも
熱せられたアスファルトから発するコールタールの匂いが懐かしくとも
いつでも駆けつける用意がある、と頼もしく
威勢だけでは堅持できないと分かっていても
虚勢を張ってしまう
その虚しさと悲しさと侘しさが入り混じる季節を迎える
空を見あげ
何本もの糸を張り巡らした紫色の雲間にわずかに射した光明
ヒカリノプリズム
冷たい
陽だまりにつつまれて
吐く息が白く
日々の呼吸が乱反射するかのように
地面に張り付いて
いつか
何もかもがロボットの心に見舞われ
煤で覆われて
見えなくなる前に
辿り着くんだろう、ぼくたち
それぞれの心が重なる部分を携えて
空いたままのパズルのピースを埋めるために
そんなふうに出逢えばいいと
そう思えたらきっと
冷たい陽だまりのなかに居て
そのぬくもりを感じるんだろう
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