「 内への逃避 」/椎名
 
ぽっかり空いたこころの穴に

いつのまにか小さな庭ができ

そこに小さな花が咲きました



どこからか風に乗って

種が飛んできたのでしょう

知らない間に芽を出して

知らない間に咲きました



虚ろな日々が淋しくて

小さな庭に逃げ込んだとき

ふと目に入った小さな花

いつからそこに咲いてるの



ずっと見ていようか

それともそのまま帰ろうか

にっこり笑ってくれたような

そんな気がしたから

ちょっとだけ佇んでいる



動き出すのはもう少し待とう

もう少しだけ

この小さな花のやさしさに

もう少しだけ

甘えていようと




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