マーキング イエロー/ハイドパーク
 
ストレスと
前立腺肥大のため
頻尿になっていた
一時間に5回は
トイレに行きたかった

冬に桜の咲いたある日
地下街を歩いていると
いつもの尿意を感じ
感じるとともに
すでに我慢できなくなっていた

目に入った喫茶店に
チャックを下ろしながら
やっとの思いで
入ってはみたものの
トイレは2階だった

死に物狂いで駆け上がると
当時若者に流行していた
シースルートイレだったので
壁もドアも屋根なく
展望台の望遠鏡の様な
男子用便器が3本
殺風景に突き立っていただけだった

手すりの下には
一階の様子が良く見えたし
もちろん
一階の人からも丸見
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