衛星。あるいは四分の一。/
いっと
人差し指と親指を差し出し
ひかりの直径にあわせる
片目をつむる
得意気な顔をして
(ほら、こんなに、小さい
(こんな狭いところで、うさぎは、ね
その指を
手を
腕を
体を
生んでくれた
包むように
優しく
生んでくれた
母親の顔をお前は知らない
それでも天上を見上げろ
つむった片目を
開け
雲間に浮かぶ望月、風に揺れる穂、
点々と続く街灯、静まり返る田園、
月明かりに照らされて伸びる息子の影、
息子の影、
影、
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