ピカリン/イシダユーリ
 
鳥のはばたきに
まばたきを
する
そのときの
渇きを
おとそうと
その丘に
細い針を
刺す
みな水
ならば
乳首にも
臍にも
飲んでもらえばいい
消えうせる
突起も
穴も
もりあがった
何度目かの
皮膚
だと
信じる


石に
一字ずつ

手紙を
書いて
いつか
それを
すべて
なげつけて
君を
殺そうと
思っていても
はじめのころの
順番が
くるってしまって
唯一
覚えている
3番目は
どこにも
みあたらない
結局
ひとつも
文字を
解さないで
君は
死ぬのだから
いいけれど


一生

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