涙雨/朧月
泣こうとしたら雨がふった
つんとした鼻で雨をみていた
灰色の空は私を受け入れているような
拒絶しているような
知らん顔のような
私と並行なままで
このままどこまでも
いけば知らない土地
知っている場所にしか
いけない私
空は続いてると
いうけどほんとうは
丸い円の中を
回ってるだけなんだよね
私がとうとう
泣いてしまっても
同じ雨をみて
喜んでる少女がいればいいな
海もこえないけど
山もとびこえないけど
川の流れに少しまざれば
たどり着ける
かもしれない
雨はそんな可能性を秘めているから
こっそり涙も
まぜる
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