空/三上あず
笑っちゃうくらいに
社会の門は狭くて
ごくごく普通の
一般人だった私には
門番さえ 見向きもしない
今流行りのコミュ力とかいう
得体のしれない力がないと
わずかに開かれた門から
最上階までの階段を
駆け上ることが出来ないらしい
どんな人にだって向き不向きはあるからさ
青春を本に費やした私は
営業なんてできやしないだろ
いっそ研究者にでもなれたらよかったけど
別の社会システムがそれを阻んだ
やってらんないよね もう
いっそのこと無い内定の人を集めて
グループに分けてさ
旅行でもしたらいいんじゃないかな
そうすればほら
空の青いのが見えるだろう
夕焼けの虹色が分かるだろう
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