今は天使にはなれなくて/佳代子
浴室のブラインドから光と風が流れ込んでくる
さわやかな緑の朝風はポイズングリーン
三つ並べたポリバケツ
一のバケツ 猛毒注意!
猛ダッシュ バイバイ!
二のバケツ やや毒
呼吸開始!
三のバケツ 解毒!
洗濯機へ移送
こんなことの繰り返しの日々
ごめんね 母さん
私きっと鬼のような顔してる
かつて母さんは私のおむつを洗ってくれた
冷たい川の水で指にあかぎれつくって
洗濯機のない時代
ずっと私のお尻の世話をしてくれた
恩返しだよなんて言いながら
私、稲妻のように逆立って
嫌悪の槍を振り回してる
後何年経ったら 私天使になれるんだろう
母さん 待ってて
ポリバケツの前の慈愛の天使
母さん 逢うのよ
天使の私に
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