海物語/朧月
よっつ並んだヨットの四番目って
ふざけてあなたは教えたの
私たちの乗るそれは
秋の光りにぴんぴん尖がって
海からたちあがってみえました
大橋がみえる展望台へ続く山道を登る
山頂まで後10分
書かれた看板はあった
流れる汗をぬぐえない
あなたが背中しか見せないから
黙って後ろを歩きたい
背中がなにかを言いそうだから
ふりむいて
ふりむかないで
私は歩くあなたの後ろ
ヨットの帆はふくらんで
期待をはらんで
あなたはもうふざけない
真剣な眼差しを受けたくて
私はあなたの正面に立つ
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