木々たちの声/吉岡ペペロ
もしぼくが
木々たちの声を聞けたら
もしぼくに
そんなちからがあったら
もしぼくの
気持ちが木々に通じたら
そんなこと
気づけないでいるだけで
そんなこと
気づけないで死んでゆく
そんなこと
気づけないで生きてみる
ひとはどうしても病にまけて
死ななければならないのか
もっといい方法があるのに
気づけないで死んでゆくのか
もしぼくが
木々たちの声を聞けたら
もしぼくに
そんなちからがあったら
もしぼくの
気持ちが木々に通じたら
そんなこと
気づけないでいるだけで
そんなこと
気づけないで死んでゆく
そんなこと
気づけないで生きてみる
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