孤高を気取れど/松本 卓也
イライラの理由を問いただしてみたとして
自問自答に正解を見出すなぞありゃしない
自分らしさとかを思い返したところで
不完全な時間が脇を通り過ぎていくしかない
曇り空を見境なく見上げてみる
十月であるというのに生温い秋
頬には何の意味かは分からん涙が伝っている
寂しくなんか無いなんて言い訳にすらならんというに
言いたいこととか伝えたいこととか
やりたいこととかやりたくないこととか
積み上げてみたところでも今日ここに存在する
木偶の坊に一秒先の未来を与えない
とうの昔に絶望したはずの未来にでさえ
未だに幸福が訪れると心底の底で期待している
そんな姿が滑稽で嫌らし
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