QBK/はだいろ
 
だけど
急にボールが来たら
ヤナギサワじゃなくったって
とんでもない方向に
シュートもするもんだよ
ねえ、
才能のない
ぼくやきみやきみよ


あの日
横断歩道で
あの子にニッコリ笑いかけられたとき
人生の色がすべて
変わるような気がしたよ

ああ
それは努力の正しさの証明なんかではなく
まして、どんな準備をしたかということでもないよ
そのときぼくは
それまで生きてきたつづきの
ピッチのど真ん中で
いきなり目の前の、
がら空きのゴール前に
絶妙の、最高のパスを受けた
迷えるストライカーのようなものさ


ああ
ただ軽く
ただ、やさしく

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