私たちの食卓/リンネ
 




 朝、日差しが差し込んで、私は目覚めました。いつもと同じように、なかば夢見心地でトイレへ向かうと、ドアの隙間から明かりが漏れています。私は一人暮らしでしたので、これはおかしいと思いました。ためしにノックをしてみると、カンカン!と、金属をたたくような音が返ってきます。仕方がないので少し待っていると、やがてトイレを流す音が聞こえて、中から誰かが出てきました。 
 驚くことに、それは私でした。といっても私はここにいるので、正確に言えば、私そっくりの誰かです。胸があわ立つような気分がしました。何か言うべきだったのですが、そいつは影のようにするりとリビングのほうへ過ぎ去ってしまいました。仕
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