綱渡り/
朧月
心からこぼれでた糸の上を
綱渡りするように歩いています
悲しい時には右にふれ
うれしい時には左にふれる ゆれる
だれしももってる感情の
糸は夜風にゆれている
涙の分だけ重くなり
両の腕をひっぱる地面
心は素直になりたがり
言葉は素直にならなくて
両腕伸ばして空をきる
ただ真っ直ぐにしか進めない
あなたは私の並行に
じょうずに歩いているようで
そちら側の風がみえません
せめて前を向こう
笑う唇のかたちで言う
そばにいてと
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