夜空/小川 葉
 
 
 
みあげると
よぞらである

ほしひとつない
わたしのひふの
うちがわである

こえがとどく

あなたのよぞらから
わたしのよぞらへ

ろっこつを
ひからせるのは
ことばである

なんまんねんもの
ときをへて
きこえるのは
あなたのこえである

ひかりのほうへ
あるきはじめている
わたしである

やみのむこうには
ひかりがあると
しんじている
わたしである

どこまであるいても
たどりつかないのは

ちのながれる
かわのほとりで
ろっこつをみあげる
わたしである

ろっこつを
うすくひからせるのは
つきである

なんまんこうねんも
ときをへて
ひかりはじめた
ほしである

ろっこつが
よぞらにひろがる
さばくのみちを
あるきながら
 
ひがのぼる
ひかりのむこうから
こえがきこえる
くちをあけしめするたびに
めいめつする
 
 
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