夜の茶会/朧月
 
知らぬ間に
今日と明日の境目の
白線を越えていた

部屋にメイプルの香り
焼きたてのパンを置いて

朝にこそふさわしいと
あなたは横向くけど
このままいればもう
朝なのですよ

星があり月もみえて私たちが座り
対角の流れに風が加わる

秋の草花一輪飾る
言葉がなにもせぬうちに
ことりと過ぎればいい
時計の針も

知らぬ間に超えていた
白線はあの
日の私なら泣いた
今日は香りが支えた


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