永久の春の国 / 霊魂/salco
 
らん頭痛持ち    野原へ行ってしまったのだから
間抜け親父と淫婦の後嗣
城盗られ、国を盗られて傀儡(くぐつ)師に    それから暗い暗い森を抜け
白い母まで寝取られて    眼窩虚ろの使者どもがそちこちで
お前はそれで何負うた?    じっと窺っていたにも拘わらず 
怨嗟血みちのきちがい道化    目を輝かせ頬染めて
         妖精(ニンフ)たちと戯れながら、花婿の待つ
じっと見ている    水辺へ走って行ったろう?
それは永久の春の国    それなのに何故、それも忘れて
薄碧の瞳に降り    眠れる者らを揺すぶり起こし
積もる塵を気にもせず    今宵も死を騒がせるのだ?

戻る   Point(6)