永久の春の国 / 霊魂/salco
らん頭痛持ち 野原へ行ってしまったのだから
間抜け親父と淫婦の後嗣
城盗られ、国を盗られて傀儡(くぐつ)師に それから暗い暗い森を抜け
白い母まで寝取られて 眼窩虚ろの使者どもがそちこちで
お前はそれで何負うた? じっと窺っていたにも拘わらず
怨嗟血みちのきちがい道化 目を輝かせ頬染めて
妖精(ニンフ)たちと戯れながら、花婿の待つ
じっと見ている 水辺へ走って行ったろう?
それは永久の春の国 それなのに何故、それも忘れて
薄碧の瞳に降り 眠れる者らを揺すぶり起こし
積もる塵を気にもせず 今宵も死を騒がせるのだ?
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