工場の昼休み/朧月
 
太陽からこぼれる光りを
端から拾った/両手で
まぶしい気持ちになりたかった

車が並ぶ駐車場
主のいない胴体は
ぴかりぴかり光っていた

夏ではない
冬でもない
今の季節の憂い

足元がゆれる
背中がさむくて
明日がみえなくて

君が手にした
缶をみつめた
会話の糸がほしくて

僕という人を値踏みしている
時間払いの憂鬱
お昼休みはみなうなだれて
ぴかぴか光る車をみてた


戻る   Point(3)