工場の昼休み/
朧月
太陽からこぼれる光りを
端から拾った/両手で
まぶしい気持ちになりたかった
車が並ぶ駐車場
主のいない胴体は
ぴかりぴかり光っていた
夏ではない
冬でもない
今の季節の憂い
足元がゆれる
背中がさむくて
明日がみえなくて
君が手にした
缶をみつめた
会話の糸がほしくて
僕という人を値踏みしている
時間払いの憂鬱
お昼休みはみなうなだれて
ぴかぴか光る車をみてた
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