悲しみ連鎖/朧月
悲しい詩が
目の淵を叩くから
悲しみたくないのに
泣いてばかり
悲しい出来事が
心をぶつから
泣きたくないのに
泣いてばかり
そうして今日も夜がふけて
お前は幸せそうだなんて言われて
ほんとの不幸と
薄っぺらい不幸と
かなり重い不幸と
模様はおんなじ
悲しいうたが
窓からきこえる
ききたくないのに
きこえてくるのさ
道を歩けば
弱者にぶつかる
電車にのれば
不自由な声に
おされてゆずって
恨まれてあやまって
なんども
なんども
悲しくないのに
悲しんでばかり
悲しむことで
生きてるって知る
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