庭の山々/朧月
植木鉢が並べられていた
山もみじとかかれていた
老人はそこに山をみていた
枯れ葉が舞う小道は
細い光りが差し込んで
枝に小さな動物を遊ばせて自然は呼吸する
はせる想いで薄くなる瞳で
なにも言わない瞳はどこをみてるの?
いつをみてるの
山もみじは
細った幹と細った葉
老人は植木鉢をみながらみていない
目の前の私のことも
空気中に解き放つ
いさせて
あなたのこんなにも近くに
いるのに 話してるのに
いない
私という存在
並んだ植木鉢
そこには
山があった
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