ようこそ/
寒雪
がらんどうなサーカステント
沈黙がひしめき合う中
黒いスポットライトの下
素顔のピエロが
裸のまま玉乗りで現れる
張り詰めたテントの裾
漂う緊張感を纏ったまま
まんじりともせず
滔々と己を語る
「私には、なんにもないのであります！」
亀頭の先に
自己存在証明を掲げる
途端立ち上がる肉茎
「劣情が世界を支配するのであります！」
笑わない笑顔を辺りに振り撒いて
玉から降りる刹那
白濁した精神構造が
周囲に飛び散る
「しの世界へようこそ！！！」
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