神無月花想 五首/口菜はたま
 
花嫁も吾もひとしく歩みたるひがんばな土塊ひきずりて

もくせい香るとき既に夜は明け娼婦は未だ微睡める少女

若き人妻に招かれたる昼食おりいぶの葉小さく黝し

真顔にて小太りのをとめ差し出せる血の色に遠きざくろは甘し

天たかしのうぜんかづらなほたかし吾投身したし神無月
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