孤高/夜月 深燐
 
何気なく雨が舞う硝子の向こうを見て私は心を奪われた

世界を飲み込むが如く舞う雨の中ただ独りの少女を見たからだ

その少女は寂しげな、それで居て孤高を湛えた表情でただ歩く

私はその少女を目で追っていた

私の視線に気づいた少女は視線を向けた

少女は視線のみで私に語りかける

同情は見下すのを同じだ…と

その視線を浴びた私は心を失った

いや、心を少女に奪われたのだろう

そう気づいた私はそれからずっと孤高な少女を探している

私の心を取り戻しその少女の心を奪うために…
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