幾度もの終わり/苅田由枝
 




一瞬でさらってくれたひとあふれ出すには少し遠い輪郭


背伸びしたささやか過ぎる罪のせい おとなになるを経験している


すきすきの思い出ぜんぶ消えてゆけきらいきらいが本当になれ


結んでも開いてしまう 小指から始まり終わってゆくような恋


無精ひげに触れながらただ始発を待ちくたびれた朝に戻りたい





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