Queeen/salco
 
な子孫は凝血にまみれた暗紫色の肉
団子として胎盤ごとばばあに下げられ、岩山の薬房でいくつかの薬草や大
量の樹脂と混ぜられて、霊験あらたかな丸薬へと変身を遂げて来た。
 いつも種元は不詳であるにせよ、最も高貴な血統を主成分とする丸薬は
稀少な万能薬として高値で取引され、物好きな権力者や資産家の間で珍重
された。ごく限られた貴人や優れ者という選良にしか開かれない僥倖の口
が吐き出した髄喜の結晶は、時に不老不死の霊薬として歯の無い口へ運ば
れ、あるいは強壮剤として蒼白い咽喉を下った。
 偽物が出回らぬよう筆頭呪術師の専売とされ、純益の6割が国庫へ還流
する。つまり成長を遂げて母の懐に帰
[次のページ]
戻る   Point(2)