森だった/森の猫
 
泣きじゃくりながら
坂道を登っていた

気がつくと
そこは
深い森

森の中だった

緑 緑 緑の渦
苔むした木々

鳥の声

時折さす
きらめく太陽の光・・・

声をなくし
涙も止まり

ただ ただ
深く呼吸をしていた

手を広げ
くるくると回ってみる

とても 安らいだ

そうだ
あたしは
この森に
呼ばれた

呼ばれて来たんだ

光の溜まった
まあるい
草の上に

猫のように
丸まって
まどろむ

森に抱かれる
森に抱かれた

詩もよまない
詩もかかない

森だった



森だった

あたしのもとめていた


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