目玉焼き/
小川 葉
朝帰り
ラップにつつまれた目玉焼きが
テーブルの上に置かれている
朝帰りと気づいたのか
仕事の書類を開いたまま
あなたはテーブルで寝ていた
いつからか
あなたが一番
家族のようになっていた
もし先に死んだなら
わたしは誰と喧嘩できるだろう
喧嘩も喜びも
いつのまにかごちゃまぜになって
いつも最後に幸せが残っている
そんなあなたが作ってくれた
目玉焼きが嬉しかった
徹夜仕事明けの朝は
いつもそう思っている
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