ためらい/ウデラコウ
曇天から垂れる針のような雨で あたしの身体を撃って
行きつく場所は一体どこなのかと 途方に暮れる
波の音が とても近かったあの頃は
何も不安などなかったのに
滴る水滴が 一つ二つと
あたしの周りに落ちるたびに
踏み出す足は ためらうばかり
いっそのことまた 誰かが突き飛ばして落としてくれないかと
願うけど
こんなときばかり 奈落は手を拱いてはくれない
間違いに気づいても もう戻れないのは
多分 今に始まったことじゃない
だけどなお まだ
選ばなかった先は 甘く芳しく あたしを誘って
進みようのない その場所を 酷くまた 切望する
自分を不幸へ貶
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