My Cult/寒雪
四六時中そばにいて監視の目を光らせる
頼みもしないのに離れようとしない
憂鬱になるから
足下で無表情な影を切り離す
太陽が消えてしまうまで待てない
鋭く周囲を睨みつける
触る物すべて傷つけるはさみを
手元に用意
はさみを入れる度
切り刻まれていく黒
血が出たり
うめき声が聞こえたり
気にすることなどない
これは儀式だ
祭壇に捧げる生贄は
生きがよいほど願いが叶うのさ
数時間後
いつも寄り添っていた影は
その存在を失った
手元に残った大量の残骸は
二度と再起出来ないよう
核融合炉にでも投げ込んでしまおう
太陽の沈む方角がわからなくても
とにかく歩いてしまえば
いずれどこかには辿り着けるはず
影のない暮らしを楽しもう
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