月が星を 睨んでいるうちはよかった 警告は三声で描かれ そのために海が割れた 稚拙な頭が 季節から流れ込む空気を食らう お椀の中に肉声を閉じこめ 黒人霊歌のようにして食らう 酸性の雨が降る朝 町を出た子供 待ちわびる親は 夫婦そろって本屋を経営している おもむろに 形勢が逆転して どうやら海が凪いできた 声が聞こえる 煩わしい人の声がふきとび 動物の声だけが聞こえる