タロットカード/西日 茜
 
「大人になっても空気が読めない人」と、教えたとき
研究室のドアを勢いよく開けて君を呼んだあの眼鏡の
特徴の無い地味な女を思いうかべていたのです。
その日は、研究発表の準備会があり
専科が集まっていたそうですが
だったらその人たちと連んで帰ればいいじゃないですか。
なんで君と帰るの?バカしゃない?
あのとき、部屋の中は一瞬凍りつきましたが
君の態度がもっと痛かったです。
「あ、僕の彼女ですから」ってウソでしょ?
「チャラ男ですみません」とつっこみ入れた
あの人はすごいっ!
拍手しそうになりましたよ。
あんな程度の女が君の彼女だなんてガッカリ。
あれじゃ、箸にも棒にもかから
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